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(アオ主)神話の果てに少年は

■至高天突入前でアオ主


アオガミさんの保護者を通り越した相棒ぶりに、当初はいつ裏切るんだと戦々恐々だったし、何か裏があるんじゃないかとも思いましたゴメンナサイ相棒。どこまでも相棒は相棒でした。
むしろ彼だけがとことん味方でプレイ中は癒しでした。

そんな気持ちを思い出しながら、以下アオ主。
主人公が不思議系なのは変わらず。
宜しければ続きよりどうぞ。



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その手が思いのほか小さいものだと気づいたのはいつだろう――。

「ここはまだマシだな。」
瓦礫の成り損ない、といった状態の建物を目にしても、少年はもう悲しい目をすることは無くなった。ただその残滓を喜び――微かに口元を緩めるのみだが――それから、周囲が安全だと分かるとその一端に腰を下ろして小休憩を楽しむようになったのは、確かな力を手に入れてから。

(強くなったな、少年。)
胡坐をかき、風に髪をなびかせて。眼前に広がる景色を眺めている己の相棒に、アオガミは精神体から当初の出会いについて思いを馳せる。
砂塵舞う東京に放り出され、少年は彷徨っていた――彷徨う他に道は無かった。
悪魔に襲われかけ、唐突に現れた見知らぬ大男の手を取るしか方法が無かった彼ではあるが、当初よりその態度は鷹揚だった。
「精神が二つって、なんか妙な感じ。」
「すまない、君の思考の邪魔にならないように気をつけ――」
「意見や質問等があるなら、遠慮なく言って。俺も気をつけて行動するから。」
「……、君は私との合一に不快感などは無いのか?」
「不快? なぜ。知識が二つになるのは悪いことじゃないだろう。」
得体の知れぬ存在との合一後、自分の体の具合を目視と軽い触診で確認し、軽い足取りで走り出した彼は右手を己の胸に当てて言った。

「これからヨロシク、アオガミ。――俺の相棒サン。」

異物を躊躇いも無く受け入れた彼の少年の微笑は、今でも覚えている。
思い出としてではなく、メモリーの一片ではあるが、それでも――鮮明な映像として焼き付いた。
何の前触れも無しに訪れた不運だったというのに、取り乱さず(罵倒は甘んじて受け止める覚悟はあった)、悲観に暮れて蹲らず(慰める方法を検索して準備していたのに)、それどころか真っ直ぐに前を向いて歩き出した少年。
勿論、色々と思うところはあっただろうが、それでも、ああ――彼が自分を受け入れてくれて良かった、と感じる。
微かに震えるこの感情。名をつけるとするならば――……。

「さて、と。そろそろ行こうか。」
声がして、回想から意識を戻す。半ば忘失していたコチラに、気づいたのかどうか。
少年は腰を上げると大きく伸びをして、溜息ひとつ。
「……なあ、アオガミ。」
「どうした、少年。」
「俺は信じていていい?」
何を、とも。誰を、とも。
口にはせず、ぽつりと吐かれたその問いに、相棒である自分が口にするのはたった一つ。

「君が悔いなく生きること。それが私の生きがいだ。」
以前に告げた言葉をなぞれば、少年が眉を下げて微笑むのを感じた。

「そうだった。アオガミは――貴方は、俺にそう言ってくれた神サマだった。」
どこかふざけるように、けれどもはにかむように――どこか泣きそうな顔で微笑んで、少年は再び歩き出す。

その長い髪に、煌めく青光を纏わせて。
空の果て、世界の向こうへ、真っ直ぐに。

ああ、自らの意思を貫いて進め、少年。
私の全てを以ってして、君を守るから。

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